LabVIEW Community Editionは趣味をより豊かにする無料のツールですが、「プログラミングなんてしたくもないけれど便利な機能ならば使ってみてもよろしくってよ。」という人もたくさんいます。LabVIEWのVIをインストーラ付きの実行版にしておくと、そんな人にも趣味の豊かさをお裾分けすることができます。
実行版にしておくメリットは、通常のLabVIEWよりもディスク容量が小さいので非力なPCでも使えること、インストール時間が短いこと、プログラムの改変ができないこと、NIユーザープロファイルを登録しなくても使えることなどがあります。
Mac版でもできるはずですがうまくいきませんでした。Windows版と流儀が違うのかもしれません。--どなたかご教示をお願いします。
「レーザーカッターで役に立つメイカーのためのLabVIEW Community活用法」で作成したVIはLabVIEWユーザー以外でも役に立つと思いますので、実行版とインストーラを作ってみたいと思います。
プロジェクトを作ります。ふだんはプロジェクトを使っていない人も、実行版やインストーラを作るためにはプロジェクトを作らなくてはいけません。
Build Specificationsを右クリックしてApplication (EXE)を選択します。
すると、アプリケーションの名前などを設定するプロパティウィンドウが開きます。
好みに応じてBuild Specification NameやTarget file nameを変更します。実行版はDestination directoryに作成されますので、パスを確認しておきます。
Source Filesでは実行版でフロントパネルを表示するVIを指定します。デフォルトではStartup VIsに何も指定されていません。
ここでは作成したVIを選択して右矢印を押すと、そのVIがStartup Visに指定されます。
アイコンはIcon Editorで作ることができます。
VIのアイコンをコピペしてなんとなくいじっているうちにできていました。
デフォルトではユーザープロファイルから転記されるようです。必要に応じて修正します。
プロパティウィンドウの下のBuildボタンを押すと実行版ができあがります。実行版のDestination directoryであるEditSVGフォルダの中にSVG_Appフォルダが作られ、その中にEditSVG.exeが作成されます。
EditSVG.exeをダブルクリックするとフロントパネルが表示されますが、ブロックダイアグラムは表示できません。
注意しなければいけませんが、このVIを作成したLabVIEWと同じバージョンのLabVIEW Runtime EngineがインストールされていないPCではエラーが表示されます。
LabVIEW Runtime Engineと実行版を同時にインストールできるように、インストーラを作成します。
Build Specificationsを右クリックしてInstallerを選択します。
適宜変更します。
ソースファイルを選択して右矢印ボタンを押します。
Buildボタンを押すとビルドを開始します。
LabVIEWがまったくインストールされていないPCにインストールして動作を確認します。
サブVIもデータ収録用のデバイスもないので特に不具合もなく動くと思います。
実行ファイルは100kBぐらいですが、インストーラーは300MBぐらいのサイズになっています。