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【LabVIEWトレンド】IoTの次のステージ?同期技術「TSN」について

1.TSNについてPlugfest_2017_18_16x9.jpg

 

IoTというトレンドが世に広まって久しいですが、データの見える化だけではなく今後は5Gに支えられ、接続機器を爆発的に増やしながら、低遅延の通信を活かした工場機器間の通信や制御が現実的に可能になってきます。これにより稼働率の向上やマイクロデータを活かした少量多品種生産が可能になると期待されています。機器同士の連携で重要な技術の一つとしてTSN(Time-Sensitive Networking)があります。

 

TSNはシンプルに言えばイーサーネットにリアルタイム性を付与する技術です。過去のEtherCAT等のイーサーネット接続規格でもリアルタイム性は付与されていましたが、TSNの特徴はオープンであることです。つまりNIや個々のメーカ独自の技術ではなくIEEE標準の規格である点が異なります。

 工場内では機器に指令を与える制御データだけではなく、今後は動画データなどの非同期データについても通信の増加が予想されており、そういった多数のトラフィックが存在する中で機器や複数ラインが連動・同調して動く場合、正確な遅延を持って工場内の機器が同調して動く必要があります。これを解決するのがTSNなのです。技術的には、まず工場内の機器の時刻を同期させます。その上で用意されたバスの帯域に対して高優先度データと低優先度データを分けて、それぞれに適切なバスを割り当て確定的な通信を可能にします。この優れた(>1μs)同期性能と10Gbps級の伝送速度、汎用性で従来のIoTアプリケーションだけでなく、工場機器の制御、車載ネットワークへの搭載も期待されています。

 

弊社の作成した文書ではないですが、より詳細な技術情報に関しては以下の様な文献もインターネット上に公開されております。

 

三菱電機技報 https://www.giho.mitsubishielectric.co.jp/giho/pdf/2016/1607108.pdf

 

2.NIのTSNに関する取り組み

 

National Instrumentsはさまざまな企業と協力し TSNの規格であるIEEE-802の策定に関わっています。TSNの使用モデルを定義し、適合性テストを実行する非営利コンソーシアムとしてAvnuがあるのですが、コンソーシアムの公開メンバーには、NICiscoIntelMarvellHirshmannRockwell AutomationKollmorgenGESchneider ElectricBosch Rexrothなどが含まれています。

(やはりヨーロッパとアメリカ企業が規格争いに意欲を見せているのが見て取れます。)

 

まだデバイスについて最近では各社で対応の機種がでてきておりますが

NIでは先行してTSN機能を搭載したデバイスをリリースしています。

一つの例として、CompactRIOが挙げられます。こちらはスタンドアロンでの使用を想定された、いわゆるPLCの様な形をしているデバイス、中身は​​リアルタイムOSを搭載したCPUFPGAとモジュール交換式のI/Oで構成されています。

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TSN 対応 CompactRIO

 各I/Oモジュールアルゴリズム実装可能な電気回路である、FPGA直接接続いるため、単純な振動や温度などのデータ収録だけでなく、入力データに基づく制御対象機器へのμsレベルでの高速なフィードバック制御やリアルタイムフィルタ処理可能です。もちろんLabVIEWゆずりの各種プロトコルへの対応性も持っており、こうした特徴は今後AIアルゴリズムの現地での適用やリアルタイム制御が必要な工場でのエッジデバイスとして望ましいものになります。以下の動画はこちらのデバイス2台を標準的なEthernetでTSN接続し、同調制御したデモ動画になります。歯車を使用したタイトな同期制御が実現できているのがわかります。

 

 

3.今後どうあるべきか

世の中では様々な技術革新が並行して進んでいきます。そういった中でOPC-UAや5G、AI、あるいは3Dプリンティングなど対応出来るプラットフォーム(ソフトウェア開発環境+ハードウェア)を戦略的に選択する必要があります。またトレンドの技術へ対応することを目的とせず、あくまで要素技術をうまく利用した上で市場やお客様に固有の強みを発信していく必要があると考えています。NIの強みは新技術への対応、あらゆるものと繋がる接続性、小規模での実装を可能とするフレキシブルなプラットフォームを有していることです。また営業側としても世界各地での動きやトレンド、アプリケーション例について知見をためつつあります。ぜひ、こうしたトレンドを活かした価値づくりのアイデアや効率化のご支援をさせていただければ幸いです。

 

参考情報

CompactRIOを用いた事例については

こちらからご覧いただけます。

https://www.ni.com/ja-jp/shop/compactrio.html

 

この記事を書いた人

阿部 敏朗

熊本県熊本市生まれ。茨城育ち。
日本ナショナルインスツルメンツ(NI)にて九州、中四国地方を担当。

LabVIEWや製品が日に日に新しくなるので日々勉強しつつ活動しています。
趣味は毎日の食事、AI関連の記事をよむこと、温泉、ロングウォーキング。
ご相談・お問い合わせなどありましたら、こちらよりお気軽にお問い合わせください。

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